分野長挨拶

九州大学医学部保健学科看護学専攻は、1903年(明治36年)に創立された福岡医科大学附属医院看護婦養成科を起源としています。その後、1969年に九州大学医療技術短期大学部が設置され、2002年に現在の学部が設置されました。看護師・助産師教育の歴史は長く、学部設置以降は保健師教育も開始しています。さらに、2007年には大学院医学系学府保健学専攻が設置され、開学以来、長きにわたり現在まで、高度な専門性を有し臨地で活躍する看護師、保健師、助産師、さらには看護学の発展を牽引する教育者、研究者の育成に尽力してきました。
本専攻の特徴の一つは、活発な国際交流です。学部では、2012年より交流を開始し、現在は、タイ(マヒドン大学)、香港(香港大学)、台湾(台北医学大学)などアジアのトップクラスの看護系大学との間で学生の派遣・受入れを行っています。さらに、大学院では、2018年より、フィンランドのオウル大学、また、近年では、モンゴル国立医科大とも研究交流に取り組んでいます。これらの活動を通し、保健医療における課題について国際的視野を基盤に探求でき、将来は国際的にも活躍できる人材の育成も進めています。
さらに、本専攻は、社会の期待に応え得る実践力を備えた看護職の育成に加え、看護学の発展に貢献する研究の推進も重要な使命と位置づけています。その活性化を目的として、2023年に九州大学病院看護部と共同で、研究と臨床の連携・共創を推進し、より質の高い看護実践への寄与を目指す「九州大学看護共創・実装研究拠点」を設置しました。現在、本拠点では12の研究テーマについて、臨床の看護師とともに、看護ケアのエビデンスの蓄積と実装に向けた取り組みを行っています。
現在、医療、保健分野が抱える課題は多岐にわたり、あらゆる地域、人々の健康と生活を支えていくことを使命とする看護職者に求められる役割は、ますます拡大、深化しています。九州大学医学部保健学科看護学専攻、医学系学府保健学専攻看護学分野では、こうした課題に対応し、社会の期待に応えられる、高い倫理観を備えた次世代を担う看護職者および将来教育、研究分野におけるリーダーとなる人材の育成を目指しております。
2026.4 橋口暢子